約束のノート
声が響いた。


この場の全員が、その方向を向く。


・・・森野。


「あなたは、主役でしょっ!?」


遥に歩み寄る。


「あなたは、主役なのよっ。この劇のっ!!」


この場にいる全員が、その言葉に呆気にとられる。


「他の誰にもできない・・・この劇の主役なのよっ!あなたはっ!!」


語気強く、叱咤するように。


「あなたは、ここまで頑張ってきたのでしょっ!?違うのっ!?」


「・・・・・・」
コクリと頷く。


「なら、胸を張りなさい・・・!!」


「・・・・・・・」


少しの間をおいて。


遥は。


「・・・・・・」
うん・・・。と、強く頷いた。


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