約束のノート
幕が下りた後。


放課後の廊下で、遥と森野が話しているのを見かけた。


「えっと・・・その・・・ごめんなさい!」


森野が、遥に頭を下げた。


「前は、本当に・・・『コエナシ』だなんて言って。ごめんなさい!」


「・・・・・・」
ふるふる。


『もう気にしてないの』


「どうして・・・?」


不思議そうに言う。


『謝ってくれたから』


「・・・・・・」


森野は呆気に取られているようだ。


『だから、いいの』


「・・・ありがとう」


『はげましてくれて、ありがとうなの』


「あれは・・・うん。どういたしまして」


照れくさそうに言った。


『またなの』


「うん」


遥は、そのまま行ってしまった。


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