約束のノート
「森野」


残される形になった森野に声をかける。


「杉内・・・何か用?」


「ああ。色々言いたいことがあるからな」


「片岡さんのこと?」


前は、片岡、と呼んでいた。


彼女の中で、遥の認識が変わったのだ。


その理由を、知りたかった。


「ああ。まずは、『コエナシ』のことだ。あのときの言葉は、全部本気なんだろ?」


「ええ。片岡さんが気に入らなかったのも本当よ」


「じゃあ、なんで・・・」


「・・・・・・」


フウ、とため息をつく。


「・・・あなたたちの担任がいるでしょ?」


「ヒゲ先生か?」


コクリと頷く。


「あの人に、あたしのやってることを知られてね。呼び出されたことがあるの」


「それで、止めたわけか」


「半分正解」


「は?」


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