約束のノート
「半分正解って・・・残りの半分は?」


「そのときに言われたのよ。『少し落ち着いて、片岡のことを考えてみろ。他に見えるものがあるかもしれないぞ』ってね」


「・・・・・・」


「正直、自分でもよく分からなかったの。気に入らないのは確かなのに・・・何かが引っかかってて」


「・・・・・・そうか」


「それから、あなたたちのことをそれとなく見ていたわ」


それは、感じていた。


もっとも、気づいていたのは俺だけだったみたいだけど。


「あなたたちの、バスケのときあたりかしら。・・・・・・あの娘の、力になりたいって。気づいたら、そう思ってる自分がいた」


「そっか・・・」


「もうわたしは行くけど、いい?」


「あ、最後にひとつだけ」


「何?」


「遥を励ましてくれて、ありがとうな」


頭を下げる。


気にすることは無い、と照れくさそうに言って、森野はその場を去った。


・・・森野の話で、大体のことは分かった。


いや、今までのことが、一本につながった気がする。


俺は職員室へと向かう。


・・・会いに行こうか。


この幕の首謀者に。


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