【短篇】こ い い ろ 。
ああ、幼なじみってこんなもんなのかな。
友達以上恋人未満。その先には道なんてなくて、
ただ、彼の幸せを祈るばかり。ばかり?
言って欲しくなかった五文字を彼は声に乗せた。
わたしはまた頬に涙を伝わせる。こんなの迷惑なのに。
「でも、さ」
口を開いた。もうやめて、何も話さないでよ。
ずっとずっと私の隣にいてよ、もういいよ幼なじみでも。
だけど隣にいれれば幸せなの、だから、だからーーーーーー
「その子が目の前にいて、泣いてたら告白なんてできねぇよな」