【短篇】こ い い ろ 。
 







「……へ」


我ながら、間抜けな返事だと思った。
思わず涙が引っ込む。ここは空気を読んでくれた様子。


「だから、俺の隣はお前の特等席なの」

「は?」

「……つまり、」


回らない頭をフル回転させて、ようやく分かった、その言葉の意味。
理解した瞬間に、私の顔は赤くそまっていく。




 
< 16 / 80 >

この作品をシェア

pagetop