【短篇】こ い い ろ 。
「きもいって何だよ!」
「あ、ごめん。きもいっていうよりうざい」
訂正すんなよ!
俺は心の中でツッコんだ。
*
02
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「ていうか、さっきから何?本当そういうの迷惑」
と、汚らわしいものをみるような視線を俺に向ける目の前の女は春香。
可愛らしい名前を折角親につけてもらったのに、可愛いのは顔だけだ。
だけど俺達は惹かれ合い、恋に落ちて、今は恋人同士だ。
そして今いる場所は、静かな教室。
俺と春香しかいない。声や音がよく響く。
そういえば、俺達は付き合って半年が経とうとしているのだが
まだキスもしていない。抱き締めることもない。
手を繋いで帰ることなんて、滅多にない。
俺ももう中学3年生でね、色々考えちゃってる訳ですよ。
それは彼女も知っている。ていうか俺はもうオープンスケベで通っている。
なのに彼女は俺に興味すらも示さない。
もしかして、これは別れの危機なのか?
「……あのさぁ、春香」