【短篇】こ い い ろ 。
 



最初に仕向けたのは俺だった。


「お前、俺のことどう思う?」

「どうって……うざい」

あとはね、きもい、意味わかんない、変態、うるさい、あとは……

と、数えきれないほどの俺の悪口を言い始めるんじゃないかと思うと俺は泣きそうになると思ったから「あーわかったわかった」と止めた。

「つまり、俺はお前の彼氏だ」

「うん、知ってる。で?」

「俺はお前が大好きだ」

「そうらしいね。それがどうしたの?」

「それで、お前は、俺の事……」

「ふつーだよ、ふつー」

こちらを見向きもせず、さっきから携帯をいじってばかりの春香。
しかも言い終わる前に答えてるし。なんで俺の言いたい事分かってんの?



 
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