【短篇】こ い い ろ 。
03
「あー、俺 もう死んでもいいや」
「あはは、じゃあ死ねば」
「嫌だよ、これからもやらなきゃいけないし」
「もう当分は嫌だよ、すごく痛かった」
でも、すごく幸せだった。
そう言って笑えば、彼は少し照れたけど、ふわりと笑って私の頭を撫でた。
一人分のシーツに二人でくるまって迎える朝なんて初めてだ。
正直、まだズキリと痛む。が、その痛みに甘さを感じる。
幸せな痛み。私は今、すごく幸せだ。