【短篇】こ い い ろ 。
 




私はふらふらと道を歩く。しっかり歩こうなんて思わない。
何もかもが面倒くさい。いらいらする。
そう思う理由もわからなくなって思わず涙が出る。
おまけにゴミのようなものが視界を縦に横によぎって行く。
邪魔で邪魔で仕方ない、飛蚊症の症状。


これのせいで、私は掴んでいた彼の手を離してしまった。




 

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