【短篇】こ い い ろ 。
「圭子が、裕也をね」
「……」
「信じらんねぇ」
「私も自分で信じられない」
あんなムカつく奴、関わりたくもないし。
ムカつく、ムカつく、ムカつく。
裕也のことを想えばいつもイライラした。
それは中学生の頃もそう。いつもへらへらしてて、子供っぽくて、でもどこか男の子っぽくて。
今じゃ、触れる事すら許されないのに、私の心はあの頃と変わらないんだなぁ。
なんて思えば、1人切なくなった。