天然男とツンデレ女

純夜





今日は朝からいい天気


快晴と呼べるであろう空を見上げながら駅のホームに立つ。


ぼーっと空を見つめながら、ふと視線を駅の改札口に向けた。


何気無い行動だった。


空から目を離して見た方向が、駅の改札口だっただけ。


でも、その時に、眠たそうに欠伸をしながらもしっかりとした足取りで歩いてくる彼女を見つけた。


やっぱり、この時間帯の電車なんだ。

嬉しくてつり上がった口元を慌てて俯いて隠した。


一週間前、急に現れた彼女は
俺の目を惹き付けて離さなかった。


茶色っぽい髪を片手で抑えながら改札口をくぐった彼女は真新しい制服に身を包んでいた。


ホームに立った彼女が空を見上げてまた欠伸をした。


その彼女の行動に胸がぎゅ、と締め付けられたような感覚になった。

そんな感覚に首を傾げると同時に少し笑えた。


なんで、こんなに綺麗な空を見て欠伸なんかしちゃうんだろう。


それぐらい、眠たいのかな。



そのままホームに来た電車に乗ってシートに座ってすぐに下を向いてしまった彼女。


残念。


彼女が降りる駅は俺より一つ前の駅。



駅の名前を聞いて慌てて飛び出して行く彼女がどうしようもなく可愛くて、小さく笑った。



それから一週間


彼女ともし会えたら話しかけてみよう


そう思ってた。


でも
いざとなると話しかける勇気なんて無くて


結局話しかけられずに一週間ずっと眠る彼女を眺めてた。


彼女に話しかけたいのに。


自分の意気地無さにため息をついた。


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