天然男とツンデレ女
「まぁ、そこが可愛いんだけどさぁ」
突然頭をわしゃわしゃと撫でられる。
頭がぐらぐらするよ。
「学校ではツンデレ女王とか言われてんだよね。」
ぐわんぐわんする聴覚で聞き取った内容に頬がまた熱くなる。
な、なんで今、その話題!?
けらけら笑う沙耶ちゃんの声に我慢出来なくて
「違うってば!ま、周りが勝手に決めたんじゃん!」
ついついキッと睨み付けて言ってしまった。
言ってしまった後にハッとして純夜を見れば、純夜がキョトンとしていた。
あぁ、やってしまった…
「ほら、可愛いでしょ?」
私が後悔をしているのに気づいているのかいないのか、沙耶ちゃんはそう言ってまた頭をわしゃわしゃと撫でる。
「…」
キョトンとしたままの純夜をそんなにイヤなのかと睨み付ければ、純夜が思い切り嬉しそうに笑った。
「可愛いー!」
そのまま思い切り抱きしめられる。
苦しい
熱い
恥ずかしい
いろいろ混乱して頭から湯気が出そう。
熱い頬を沙耶ちゃんがニヤニヤしながらつついてくるのから逃げるように純夜の腕の中に避難したら、
「優菜っ!」
「バカ、離してよっ!」
思い切り頭を抱き締められた。