天然男とツンデレ女
A month
優菜
純夜のお迎えが日常化して
校門で待ってても不自然じゃなくなった。
学校内でも純夜のファンクラブまで出来てしまったらしい。
複雑だ。
そのかわり、
手だって最近照れずに繋げるようになった。
自分からは無理だけど。
「おつかれ、優菜。」
そう言ってきゅ、と握られた手に口元が少し上がる。
「今日はご機嫌だね」
駅までの道を純夜の話を聞きながら歩いていれば話が一段落した純夜がそう言って笑った。
最近何故か純夜に私の気持ちがわかってしまう。
時々その理由も当ててしまうから、前に一度エスパーかって聞いてみた。
けど、純夜は苦笑しながらわかんないって言ってた。
自分の事なのにわかんないとか、変だって言ったら、純夜は大体そんなもんだよって笑ってた。
「今日はなんでご機嫌なの?」
今日は理由がわからないらしく、軽く首を傾げて聞いてきた純夜に笑った。
「わかんない」
いつもの答えに純夜が笑う。
「わかんないのに嬉しいって、変じゃない?」
そうやって笑いながら話してたら、駅について電車に乗るはずなのに、今日はいつもと違った。