メロンパン
「返せって言ってんだろ!」



教室が静まり返る。

クラス全員が僕等の方を見た。

立ち上がって、弁当箱を取り返そうとした。

弁当箱に触れると同時に、二ノ宮が一条に投げ渡した。

「返せよ!」

僕は一条に飛びかかった。

「ヘイ、パス!」

一条が二ノ宮に投げ返す。

二ノ宮が走って逃げる。

僕は追いかけた。

「パス!」



二ノ宮が投げた弁当箱が大きく弧を描いた。
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