メロンパン
「また会ったね」



見覚えのある女の子。

僕の手を引っ張って助けた子だ。

「どうかしたの?」

「……」

「話なら聞いてあげるよ?」

「……」

「あっ、そうだ。購買部で買ったメロンパン、一緒に食べる?」

上着のポケットからメロンパンを取り出した。



彼女の笑顔に僕は気が抜け、その場に座り込んだ。
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