メロンパン
「中身見てもいい?」



「か、返せよ!」

一条が立ち上がって取り返そうとした。

「パ〜ス」

美羽がヒョイッと投げ、僕に渡した。

「くっ……何すんだよ!」

「あれも指紋調べて貰うね。まっ、そこまでしなくても、中身見れば分かることだけど」

「……」

一条の兄は黙って睨みつける。

「どうしようっかな〜?」

「な、何がだよ?」

「パパに頼んで、学校に来れないようにして貰おうっか?」



笑顔だけど、目が笑っていない。
< 51 / 64 >

この作品をシェア

pagetop