メロンパン
「小学校3年生のとき、丁度この時期だったね」



美羽は真剣な顔で話し始めた。

僕は黙って、耳を傾けた。

「私が公園で遊んでいるとき、一条にイタズラされて泣いてたの」

「そんなとき、亮也が人を呼んで来て助けてくれた」

「すごく嬉しかった。泣き止まない私に、亮也が持ってたメロンパンを半分ちぎって渡してくれたとき」



「今でも忘れない」

美羽はゆっくりと目を閉じる。
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