カモミール・ロマンス
夏風便り
「もしもしユギ?」
朝早くからの翔からの電話。
「んー……翔?朝からどうしたの?」
目覚まし時計が鳴るより20分早くに起こされてしまって勇気は、まだまだ眠そうだ。
「それがざ……風邪ひいぢゃっだみたいで……」
「え、夏風邪?」
ガラガラの声は聞き取りずらく、心なしか勇気の声量も大きくなる。
「あ゙ー、なんが、ヘルパンギーナって医者に言われちゃっだ」
「ヘルパンギーナ……?誰?」