カモミール・ロマンス


地元の駅から2つ先の駅で快速に乗り換え、揺られること30分。

そこからまた鈍行で15分ほど揺られた頃に海が視界に広がってくる。

だんだんと大きく、だんだんと青くなっていく海を見ながら進んでいくと、その駅にたどり着く。

閑散とした小さな駅。

ホームには小さな待合室と4人掛けくらいのベンチが2つ背中合わせにあるだけ。

それでも車両から降りた瞬間に磯の匂いが鼻を刺激して、なんだか胸がソワソワとする。

暑い日差しの中に流れる、冷たい潮風。


4人はゆっくりと歩いていく。







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