カモミール・ロマンス


桜宮祭は高校のイベントにしては規模が大きく、毎年休日に催される為に他校からの参加も多い。

心なしか女生徒の参加が多いのは、桜ノ宮付属は男子のレベルが高い。と言われているからかもしれない。

「へぇー、サッカー部は大喜利大会やるんだ」

プログラムを見ながら勇気が翔にそう確認した。

「うん。キャプテンが祭と言ったら大喜利だろう。って皆の意見も聞かずに……」


「はは、相変わらず面白い部活だな」

「うん、でも、あと少しで先輩達は卒業しちゃうんだよな。

来年は僕がキャプテンだなんて……」

翔が次のキャプテンに任命されたのは、ついこの間のことだった。

2年生は翔1人しか居ないのだから当り前と言えば当り前なのだけれど、その重圧は翔が考えていたよりも大きかったようだ。

「ならあと少しで沢山の思い出を作らなきゃだな。

今日はあれなんだろ?なんとかって先輩も大喜利に参加してくれるんだろ?」

「うん。笠井先輩も来てくれるし……

よぉーし、今日は楽しむぞぉ!」

そんな翔を見て、みんなが優しく笑った。

桜ノ宮付属高校文化祭は色んな人の想いを包んで進行していく。






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