カモミール・ロマンス
散々はしゃいだ後でだらだらと片付けをしていたら、クラスで先生にこっぴどく叱られた。
後夜祭は独特の盛り上がりで、元気が3年達に交ざって盛り上げ役をしていた。
亮平は本当に最初後夜祭に現われなくて、副委員長の大野が震えながら司会進行をしていた。
約1時間後に亮平は柳瀬と一緒に現れて、柳瀬はぐったりとしていた。
「どひー、疲れたぁ」
家に着いたのは8時頃になって、勇気は真っすぐに自分の部屋に向かった。
ベッドに疲れた身体を乱暴に放り出して、ポケットから携帯を取り出す。
『ユキ君、今日は本当にありがとう
最後の言葉も本当に嬉しかったよ
またメールしたり、今度はどこかに遊びに行ったりできたら嬉しいな
それじゃあ、また
沙織』
目を瞑るとカモミールの香りがするような気がした。
「あれ?そういや、何て言ってたっけ……
カモミール……カモミール・ろーまんす?」
雲に覆われた月がほのかに街を照らしていた。
制服のまま眠ってしまった勇気だったけど、いつもより穏やかな表情で、寝息をたてるのだった。