カモミール・ロマンス
「オレがいつか美咲の身長を抜かしたら、また桜の下で告白するから、そん時は嫌なんて言わないでね?
それまではオレが美咲のことを絶対に守ってやるからさ」
豪快に笑った直也の顔を美咲は忘れられない。
「何その一方的な約束?
それまでに私に彼氏が出来てたらどうするの?」
「大丈夫、大丈夫!
そういう変な虫からもオレが守るから」
2人はしばらく笑っていた。
美咲は直也の横顔を見ながら「男の子もそんなに悪くないな」と思ったのだった。
そして、そんな2人を偶然にもサッカークラブ帰りの翔が見てしまっていた。