カモミール・ロマンス


直也がだるそうにしゃがみこんで、うだうだと四つ葉を探し始めた。

いや、正確には葉っぱを撫でているだけで探してなどいないのだが。

「しっかし、全然無いもんだね。そりゃ見つけられたらラッキーになる。ってのも間違いじゃなさそうだ」

だんだんと陽が傾きはじめてきていた。

オレンジ色の光が川の水面を照らしはじめると、河川敷は急に淋しくなる。

下校中の学生、犬の散歩をしていたおばさんも、ジョギングをしていたおじさんも皆家に帰った頃だろう。

場所を移して探しだしてからまた30分が経過した頃。

疲労や、いくら探しても見つからない疲れから4人の手はほとんど止まっていた。(約1名は最初から動いていなかったが)




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