カモミール・ロマンス
「はは」
誰からか分からないけど声を出して、みんなが笑いはじめた。
「ははは、バカだなぁユキ」
「ほんと、あんたってなんでこういっつも、やらかしちゃうの?」
腹を抱えて笑う4人。
夕焼けが優しく照らしている。
「はははは。うわ、自分でも意味わかんねぇや。……はい美咲」
勇気は美咲にちぎれてしまった四つ葉を手渡した。
「えーちぎれた四つ葉って縁起悪そう」
「そうだよね。ラッキーの象徴をちぎっちゃったんだもんね」
そんなことを言いながらも美咲は胸ポケットに四つ葉をしまった。
「……さてと、じゃあ帰りますか?」
「そだね」
4人はゆっくりと立ち上がって、少しの間だけ草むらを見つめて、帰り道へと向かうのだった。