カモミール・ロマンス
翌日。
昼休みに美咲が本を読んでいた。
トイレから帰ってきた翔がそれに気付く。
「あ、美咲それ」
本に挟まれていた栞。
美咲はにっと笑いながら、栞を抜き取って翔に渡した。
「……これって」
桃色の色紙の上にちぎれた四つ葉のつながったままの三枚の葉。
そして葉っぱの形に切った濃い桃色の紙が、また新たな四つ葉をつくっていた。
「昨日ね、なんか思いついたんだ。」
「あー、翔なに持ってるの?」
「ん?なになに?」
ひょこっと現れた直也と勇気。
「良いねこれ……なんか僕たちみたいだ」