カモミール・ロマンス





「…………。」

屋上に帰ってくるなり三角座りをして、ずーんと落ち込んだ様子の直也。

「バカな……メガネを外しても数字の3みたいな目にならないなんて」

がくっと肩を落とす直也。

「瀬谷先生ったらくっきり二重で、きりっとした瞳なのよね。あんな目で見つめられたらあぁ……いやーん」

実際に見つめられたわけでもないのに、顔を隠しながら叫ぶ美咲。

「……くっ。ナオでもダメだなんて。こうなったら翔。後はお前だけが頼りだ」

がっと肩を力強く捕まれる翔。

「えっ、これって僕もやんなきゃいけないんだ?」


< 33 / 228 >

この作品をシェア

pagetop