カモミール・ロマンス
「…………。」
屋上に帰ってくるなり三角座りをして、ずーんと落ち込んだ様子の直也。
「バカな……メガネを外しても数字の3みたいな目にならないなんて」
がくっと肩を落とす直也。
「瀬谷先生ったらくっきり二重で、きりっとした瞳なのよね。あんな目で見つめられたらあぁ……いやーん」
実際に見つめられたわけでもないのに、顔を隠しながら叫ぶ美咲。
「……くっ。ナオでもダメだなんて。こうなったら翔。後はお前だけが頼りだ」
がっと肩を力強く捕まれる翔。
「えっ、これって僕もやんなきゃいけないんだ?」