カモミール・ロマンス
「瀬谷先生の苦手なことなんて思いつかないしなぁ」
しぶる翔を勇気と直也が見つめる。
勇気はいっそう力強く言う。
「頼む翔。このままでは俺達は何も出来ないゴミになってしまうんだ」
「いや、そこまで自分を責めなくても良いんじゃないかな」
直也も近づいてきて翔の肩を掴む。
「そうだ。一度決めたことをやり切ることもできない、そんな屑にはなっちゃいけないだろう?そんな人間にはなりたくないだろう?」
「……真面目なこと言ってるつもりかもしれないけど、今僕たちがしてることって不真面目以外の何物でもないからね」
じりじりと詰め寄ってくる2人。
翔は小さく息を吐いた。
「だったらさ、直接本人に苦手なことを聞いてみるっていうのはどうかな?」
「「な、なるほど……」」
目をキラキラ輝かせる2人を置いて今度は翔が瀬谷の元へと向かっていった。