カモミール・ロマンス
がやがやと騒めきたつ教室。
無理矢理に着せられた制服をほんの少しでも自己流にと、着方に頭を悩ます。
恥ずかしいほどの勘違いだとか、もやもやとした行き場の無い感情だとか。
色恋に憧ればかりが募って、でも実際はそんな人々を横目に見ているだけ。
ここはそんな高校生達のとある教室。
「っつかさ、昨日のMスタ観た?」
「オレがさおりんを見逃すわけがねぇだろ」
「出たよさおりん。お前さおりんさおりんってうるせぇよ」
教室の片隅で花を咲かせるのはたわいもない会話だけ。
でも、そんな日々がやっぱり、ほんのちょびっとだけ好きだったりする。