カモミール・ロマンス
昼休みも終わりに近づく中、まだ3人は屋上にいた。
そこに翔がとぼとぼと帰ってきた。
「翔。どうだった?」
「瀬谷先生は何だって?」
翔に気付いた勇気と直也がそう言った。
翔はゆっくりと2人の前に座る。
「うん、甘い卵焼きは美味しかったよ」
「「はい?」」
2人の顔を見て、翔が笑う。
「んー、だからさ。瀬谷先生ってやっぱり格好良いなって」
そう言って翔が立ち上がる。
「えー、なんだよそれ?」
「っていうか翔なんか清々しい顔してない?すっごい気になるんだけど」
勇気と直也がそれに続いて、美咲が後からついてくる。
「ま、やっぱり瀬谷先生には苦手なものなんてないってことよ。ね、翔?」
「あー、うん、そうかもね」
4人の笑い声が晴天の空に、始業のチャイムと共に響き渡っていた。