カモミール・ロマンス


昼休みも終わりに近づく中、まだ3人は屋上にいた。

そこに翔がとぼとぼと帰ってきた。

「翔。どうだった?」

「瀬谷先生は何だって?」

翔に気付いた勇気と直也がそう言った。

翔はゆっくりと2人の前に座る。

「うん、甘い卵焼きは美味しかったよ」

「「はい?」」

2人の顔を見て、翔が笑う。

「んー、だからさ。瀬谷先生ってやっぱり格好良いなって」

そう言って翔が立ち上がる。

「えー、なんだよそれ?」

「っていうか翔なんか清々しい顔してない?すっごい気になるんだけど」

勇気と直也がそれに続いて、美咲が後からついてくる。

「ま、やっぱり瀬谷先生には苦手なものなんてないってことよ。ね、翔?」

「あー、うん、そうかもね」


4人の笑い声が晴天の空に、始業のチャイムと共に響き渡っていた。



< 41 / 228 >

この作品をシェア

pagetop