カモミール・ロマンス

時折一時間目の授業の前にホームルームが行われる。

たいがいが何か注意を受けたりする、生徒にしたらあまり嬉しくない時間。

「はーい静かにして」

クラス委員長の郡山亮平(こおりやまりょうへい)が前に出る。

「何だよ委員長、また誰か何かしたのかよ?」

ありきたりだが亮平のあだ名は委員長。

そのままだが、やはり馴染みが良い。

「いや、珍しくそうじゃないんだな」

亮平が黒ぶちのメガネの奥で優しく笑う。

「え、なにもしかして褒められんの?だれだれ?まさか……オレ!?」

クラス1のお調子者、吉岡元気(よしおかげんき)。

名は体を表すと言うが彼はまさにそれ。

クラスのムードメーカー的な存在だ。

「いや無い。元気が褒められることはまず無い」

クラスに笑いが起こる。

「ま、誰かが誉められるわけでもないんだけどね。実は来週の水曜日に我が桜ノ宮大学附属の恒例のイベントがあります」






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