カモミール・ロマンス
「で、なんだっけ来週の……てやんでい?」
勇気から半分もらったカレーパンをかじる直也。
「違ってナオ。べらんめいだよ、な、翔?」
2人とも真面目な顔して言うのだから、困ったものである。
「な、じゃないよ。スポーツデイだよ。何で2人とも若干江戸っ子みたいな口調?」
「なんかあれよね、学年ごっちゃ混ぜで一日中スポーツする」
美咲は口元に指を当てて空を仰ぐ。
ゆで卵の膜みたいにうっすらと記憶が蘇る。
「え、そんなんあったっけ?」
「えー、オレも知らないよそんなイベント」
勇気と直也はすっかり忘れてしまっている様子。
「ユキは何気に楽しんでたと思ったけどね。あ、そういえば美咲は何か賞品もらってたよね」
「あー、もらったもらった。すっかり忘れてた」