カモミール・ロマンス
そして翌週、スポーツデイ当日。
高校から歩いて20分くらいにある市営体育館を貸し切っての、なかなか大きなイベントである。
「ふあ、眠い……」
直也のあくびは今日だけで何回目だか分かったものではないが、4人も体育館へとやってきたようだ。
ガラス張りの大きな入り口から入ると、目の前に体育館のフロアが広がる。
「うわぁ、いつ見ても広いなぁこの体育館」
「あ、委員長いた」
体育館の奥では亮平がせっせと準備をしていた。
勇気達に気付いた亮平が手を振る。
「委員長も嫌な顔ひとつせずによくやるわよね。あたしだったら無理だわ、皆より早く来て準備なんて」
美咲もまだ少し眠そうで、時折目を擦っている。
するとそこに元気がやってきた。
「おいーっす!勇気達おっそいぞー」
朝からだと言うのに元気いっぱいだ。
「おいーっす。うわ、元気もう着替えてるじゃん、早っ」
「あはは、やる気満々だねー」
元気は黒のハーフパンツに、学校指定の紺色に赤いラインの入ったジャージを着ていた。
「あったぼーよ。今日は優勝狙っちゃうからな」