カモミール・ロマンス
「……と言うことで今日は1日。怪我をせずに身体を目一杯動かしましょう」
パラパラと拍手がおこり、体育教師の上田が壇上から降りていった。
「それでは第一競技のミニサッカーを行いますので、各自チームと対戦順の確認をしてすみやかに集まってください」
フロアの北側と南側に張り出された対戦表。
「あー、オレ翔と一緒のチームが良かったな」
直也がチームを見ながら言う。
「あ、僕美咲と同じチームだ」
直也はBチーム。翔と美咲がEチーム。
「うわ、オレ一回戦が翔達とだ」
そして勇気はFチームで翔と美咲のいるEチームと一回戦で当たることになった。
「ユキー。」
そこにやってくる元気。
「ユキ一緒のチームだな。翔なんかやっつけてやろうぜ!」
「えー、サッカー部に勝てるわけないじゃん」
「そんなネガティブしてんなよ。今日はオレが優勝するんだから、サッカー部だろうとなんだろうと倒すんだよ」
肩を組まれてずりずりと元気に引きずられていった勇気。
「あ、ナオは最初の試合だね。頑張って」
「ってかあんた、ちゃんと参加しなさいよね?」
「えー、あー……うん」
気のない返事をして、ぽてぽてと直也は歩いていきました。