カモミール・ロマンス

「え、だって委員長が勝てたらこれから2週間宿題写させてくれるって言うから……」


亮平からの耳打ちは見事に直也の内なるやる気を引き出していた。

その動機の不純さに呆れながらも翔と美咲がフロアへと降りていく。

コートにはもう勇気と元気がいた。

「遅いぜ翔。この勝負この元気様がもらった!」

「うん、頑張ろうね」

始まる前から熱を振りまく元気とマイペースな翔。

「あー、やる気出ないよ」

「本当にね。せめて瀬谷先生が応援してくれたらやる気出るのに」

そんなこんなで楽しんでいる人とそうでない人とやはり分かれてしまうわけだけれど、試合は進んでいく。

「翔くーん頑張れ」

翔は他のクラスからも男女関係なく人気がある様で、翔への応援はなかなか凄いものがあった。

流石は毎日の様にサッカーをしているだけあって翔を軸にEチームが点をあげていく。

気付けば残り時間半分の時点で3点差がついていた。

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