カモミール・ロマンス

「「くそー、まだまだこれからだぜ」」

見事にハモる勇気と元気。

「あはは、やっぱり勇気って何でも楽しんでるよね」

「単純なのよ。さっきまでやる気出ないとか言ってたくせに」

Fチームは最後の追い上げをする為に円陣を組んだ。
「「打倒、翔!!」」

「「「「おぉーーー!」」」」

体育館に響き渡る声。

「え、なんで僕名指しされてるの?」

「うん、バカだからじゃないかな。あのチーム引っ張ってる2人が」

勢いづいたもののやはり前半での3点差は大きく、両チームとも2点を追加して幕を閉じた。


そのまま直也のBチームと翔、美咲のEチームは順当に勝ち上がり決勝戦。

「ついにナオと戦うことになったねー」

「うんオレもう夏休みまで宿題やらなくても大丈夫そうだよ」

どうやら勝てたら2週間宿題写させる。という取引はあの後の試合でも続いていた様で、心なしか直也の頬が弛んでいた。

「なんかここまで来ちゃうと悪どいわよ委員長」

「いや、うん。僕もまさか直也の力だけで決勝まで来ちゃうとは思ってなかったから」

そうして始まりの笛が鳴り響いた。




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