カモミール・ロマンス

翔を軸に全員サッカーで得点を重ねていくEチームに対し、直也のワンマンプレーで得点を重ねるBチーム。

なかばサッカーではありえないくらいに得点を重ねていく両チーム。

気付けば残り一分で8対8となっていた。

「なんか凄い戦いになったな」

「いつの間にか皆スタンディングオベーションになってるしな」

予想外の熱戦に試合を終えた生徒達も一心不乱に決勝戦の行方を見守っていた。

その時、フロアに1人の男が現れた。

「さぁ、皆頑張ってね」

瀬谷の登場に色めきだつ女子生徒達。

「せ、瀬谷先生!きゃー、どうしよう」

疲れも忘れてはしゃぐ美咲。

その時、美咲の中で何かが囁いたのだった。

ゆっくりと直也の元に近づいていく美咲。

「ん、なに?」

直也に何かを耳打ちする。

「……何してんだあいつら?」

美咲が耳打ちをして、直也が首を振って耳打ち。

美咲がちょっと嫌そうな顔をして、瀬谷の方を見てぽーっとして、また耳打ち。

「よし、その話乗った」

で、最終的に直也が了解のサインを出して、試合が再開された。






―――――そして、何故か直也がまた動かなくなり翔が一点を入れてEチームの優勝が決まった。


< 55 / 228 >

この作品をシェア

pagetop