カモミール・ロマンス
そして夕方4時になり、全ての競技が終了。
閉会式を行っていた。
「あぁ、結構疲れたぁ」
「ユキは本気出しすぎなのよ」
先生の取り留めもない話が続く中、生徒達はひそひそ声で今日の余韻にひたる。
「結局ナオがヤル気出したのはミニサッカーだけだったね」
「だって勝っても何ももらえないのに力なんか出ないよ」
現金と言うか何というか、直也のやる気の一貫した無さも凄いものだ。
「えー、それでは表彰に移りたいと思います。1年B組今野幹久(こんのみきひさ)くんお願いします」
一年生の体育委員が壇上に上り、緊張した面持ちでマイクを握る。
「そ、それではぁ」
声が裏返ってしまった一年生に和やかな笑いが起こる。
「発表します。第五位3年A組野崎良子さん」
「え、うそ。私!?きゃーっ」
仲間から大きな拍手で送られて壇上に上る。
「おめでとうございます。野崎さんにはメクドナルドの500円カードを差し上げます」
パチパチと拍手が起こる。
今野は野崎が自分のクラスへと戻るのを待ってから続ける。
「第四位……第三位……第二位……」
次々と表彰が進んで行き遂に第一位の発表となる。