カモミール・ロマンス
夕陽も沈みだした帰り道。
「楽しかったねスポーツデイ。色んな学年の人とも仲良くなれたし」
「でも流石に一日中スポーツは疲れたぁ」
何だかんだ言いながらも楽しんでいた勇気。
翔も今日を目一杯有意義に過ごせた様だった。
「そんなことはどうでもいいのよ。」
そんななか不機嫌な美咲。
きっ、と直也を睨み付ける。
「なんでヤル気の無いナオが優勝?ってかまだそこまでは良いとして、何で優勝商品のペアチケットあげちゃったわけ!?」
なんと直也は優勝商品のペアチケットを先輩にあげてしまっていた。
「だって別に行きたくなかったし」
「はぁ、本当わけわかんない」
「ははは、まぁまぁ良いじゃんナオらしくて」
すると直也がぽんぽんと美咲の肩を叩く。
「なによ?」
そしてポケットから一枚のカードを取り出した。
「げっ、スターべックスのカード」
「さっきの先輩が代わりにってくれた。皆でいこうよ、せっかくだし」
こうして一緒にスターベックスでお茶をして帰った4人。
ペアチケットで誰かを選ぶなんてことにならなくて案外良かったのかもしれない。
「ねぇユキ。ナオって本当に一緒にシーワールド行く人いなかったのかな?」
「んー。どうだろ?」