カモミール・ロマンス


ぽかぽかの陽気が、屋上で談笑している4人を照らしている。

昨日の雨の匂いがまだほんの少しだけ残っている様にも感じる。

「……へぇ、何かいろいろとあったんだなぁ」

翔は3人に話をした。

笠井のこと。

スタメンに選ばれたこと。

美優のこと。

「それで、その女の子とはどうなったの?まさか付き合ってるとか?」

直也の質問に翔は困った様に笑った。

「あー、これからも陰ながら応援します。サッカー頑張ってください。だって」

「え?何それ……なんか翔がフラれたみたいになってるじゃん」

「んー、なんか最初から別に告白とかではなかったみたい」

「えー、なにそれ」

不思議そうに眉をひそめる直也を見て翔が声を出して笑う。

そんな笑顔の中から少しだけ違う感情を感じ取った美咲が聞くのだった。



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