カモミール・ロマンス
ナオ救出大作戦
「おはよー」
「はよーっす」
勇気と翔が教室に入ってきた。
ちらりと見た直也の席にまだカバンはない。
「翔、昨日メールしたんだろ?返ってきた?」
勇気はカバンを机に置きそのまま翔の席に移動する。
「んーん。いつもだったら返してくれる時間はまちまちだけど、その日の内には返してくれるのに、昨日はなかった」
途絶えた直也からの連絡。
担任に聞いても、連絡もなくて分からないとのことだった。
「おはよ翔、ユキ」
「美咲おはよ」
そこへ美咲がやってきた。
「ナオって学校休んだことあったっけ?」
「んー、どうだったかな。あたしら幼稚園からの付き合いだけど、ナオが休んだのって記憶にないな」
「僕もない」
翔と美咲が直也のことを思い出すのを勇気が羨ましそうに見つめていた。
「そっかぁ3人は幼稚園の頃から一緒なんだよな、すげぇ腐れ縁だな」
翔、美咲、直也は幼稚園から一緒だったが、勇気だけは違っていた。
「そういえばユキとはまだ3年くらいなんだよね」
「言われてみればそうだったわね。いっつも一緒にいるからユキともずっと一緒な気がしちゃってたわ」