与える者、与えられる者 〜Life〜
8年の月日が経ち
25才の春
父親から話があると居間に呼ばれいつもとは雰囲気が違ったが大体の話の内容はわかっていた
苦手な正座をし話を聞く
『どうだ最近は?』
『順調!』
何を遠回しに聞かなくてもと思い皮肉な一言で康一は言葉を返す
『順調?今では昔のようにやるべき事をやってるように見えないがそれでも順調と言えるんだな』
父親が怒っているのは眉間のシワの数でわかる
『待っててくるもんでもないしこれだけは巡り合わせでなるようにしかならないよ!』
父親は呆れたように首をふり
『俺の兄貴とおなじ事をいいやがって!おまえも兄貴みたいにふらふら生きていくつもりか!』
父親の兄は僕にとって叔父にあたりそして守川家の長男で僕と同じ与人である
今年で50になる叔父は使命を全うする事なく生きている
『叔父さんみたいにはならないし僕はいつだって神子になる心構えはできている!』
少しの間沈黙がつづいた・・・
『わかった!もう何もゆわないからがんばれ』
父親の話が長くなりそうだったし足がしびれてきたので康一は納得しそうな言葉を並べてこの場をはなれたかった
父親との話の中で叔父さんが出てきたがどんな心境でどう思っているのかが気になる
そして唯一自分の気持ちを理解してくれるたった1人の同じ境遇の人
康一は叔父に会いに行く決断をする