さよならなんて言わない
プロローグ
まだあなたの存在を知る前は、僕の生活は単調で平穏の毎日だった。

あなたを好きだと意識したのは、最も時間はかからなかったのだけれど、

あなたは、もう覚えていないかも知れないけれど、冬から春かけた眩しい陽射しのなかで、
あなたの肩までの少し、薄い茶色の髪が揺れて、
僕にこう言ったよね。
「ありがとう」

僕は思わず目を反らしてしまったね。

あなたが本当に天使に見えたんだ…。
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