ベリー★らぶ〜天然美少女×俺様王子〜
ちゅっ
「えっ……」
進めていた足を止める。
あたしは、何が起こったのか状況がつかめなかった。
今の…何?
なんか、唇に柔らかいものが触れた気が…。
「優愛?」
足を進めていた滝城くんが、振り返ってあたしの名前を呼ぶ。
その表情は、うっすらと笑っていた。
「い、いいいいいいいい今の……!…な、何?」
「何って…キスだけど、もしかして初めてだった?」
あたしは、信じられない現実に固まる。
どういうこと?
なに、何、何なのー?!?!
「あれ?マジで?ゆーめーちゃん?おーい…大丈夫ー?」
あたしのもとに近寄ってきて、目の前で手を左右に振っている。
「だ、大丈夫…じゃないよ…!…な、何で…キ、キキキスなんて」
「んー?…さっきのお詫びに、キスもらった」
そう、軽々と微笑みながら言った。
「お、お詫びって…、そ、そんなのナシだよ…」
「優愛が言ったんだろ?…ま、もうお詫びしてもらったからさっきのはチャラだな」
「なっ…!」
それを理由にされたら、あたしはもう何も言えなくなった。
滝城くんは満足げに、あたしの右手を握って歩きだした。
あたしのファーストキスが……、あんな簡単に奪われちゃうなんて。
学校までの道のり、ショックで何も言葉がでなかった。