ベリー★らぶ〜天然美少女×俺様王子〜
「あの…これ…」
「ん、サンキュー」
「じゃ…お先に」
あたしはお弁当を滝城くんに渡して、先に家を出た。
「ふぅ…」
なんか、朝からすごく疲れた。
だから、全然体に力が入らない。
「大変ね、王子との同棲も」
「う…ん」
葵に話を聞いてもらった。
昨日のことも、全部。
「でも滝城が優愛を好きだなんて…信じられないわ」
うん…それはあたしもまだ理解できてない。
それにあたしは“好き”がわからないし…。
「ねぇ、優愛。あんたわかってる?優愛が滝城を好きになったら、一緒に住む理由教えるって」
「え?それが…何?」
「はぁぁ…。それ、優愛が滝城のことを絶対好きになるって意味よ?…好きって気持ちを理解した時には、滝城のことを好きになってるってことなんだからね?」
え…?!
そ、そういう意味なの…?
いや、そういうことなんだよね…。
なんか無理やりだなぁ…。
「ま、あたしはお似合いだと思うけど」
「ちょっ…あ、葵」
「ただ、自分の気持ちに嘘はだめだからね」
あたしは、出す言葉がなくなった。
ホントにいいのかな…。
“好き”を知るってことは、滝城くんを好きになる努力をするってことなんだよね…。
そんな無理やりでいいのかな…。