僕の仕事は女王様!
2話
「……てか、僕男だよ?」
「ええ、存じ上げています」
僕の肩から手を離し、クラウスは真剣な顔で話を続ける。
「あなたにマルティーナ様に、成り済ましてほしいのです。無理は承知の上です」
僕の頭の中はぐちゃぐちゃだ、どうしていいのかわからない。姉様は呪いにかかってて、その代わりを僕がするだって?
無理だ、無理だよ……
「…………」
僕はもう一度姉様の顔を見る。眠っている姉様、僕の大好きな姉様。
「ちょっとだけ、考えさせてよ」
「……わかりました。俺は少し外に出てますね」
クラウスは部屋を出ていく。僕はその場に座り込み、姉様の事を考えた。