僕の仕事は女王様!
2話


「……てか、僕男だよ?」
「ええ、存じ上げています」


僕の肩から手を離し、クラウスは真剣な顔で話を続ける。


「あなたにマルティーナ様に、成り済ましてほしいのです。無理は承知の上です」


僕の頭の中はぐちゃぐちゃだ、どうしていいのかわからない。姉様は呪いにかかってて、その代わりを僕がするだって?

無理だ、無理だよ……


「…………」


僕はもう一度姉様の顔を見る。眠っている姉様、僕の大好きな姉様。


「ちょっとだけ、考えさせてよ」

「……わかりました。俺は少し外に出てますね」


クラウスは部屋を出ていく。僕はその場に座り込み、姉様の事を考えた。


< 10 / 187 >

この作品をシェア

pagetop