僕の仕事は女王様!
「でも……」
「だって一度も出てないんだろ?城の外に」
確かにそうだ。まだ女王としては未熟だし、外の公務には出ていない。
「それに、本物の女王だってお忍びして……」
「わぁぁぁ!!」
自分でも信じられない速さで、リヒトの口を塞いだ。本物のって何、本物のって!!
「誰かに聞かれたらどうするんだよ!?」
「だ、大丈夫だって」
僕の手を外し、ひきつりながら笑う。笑ってる場合じゃないよ。
「誰かに聞かれてたら、今俺は動物になってるって」
あっ、そういえばそうだ。
「って、それじゃ結果オーライじゃん!」
一瞬納得するトコだった。リヒトのペースに呑まれる。
「とにかくさ、行くのか?」
「……行く」
なんだかんだで頷いてしまう。ゴメン、僕も姉様と一緒みたい。
「じゃあ、変装だな」
ニヤっと笑い、マジマジと僕を見る。変装ってどんなのだろう……