僕の仕事は女王様!
「俺、王族って嫌いだけど、アルベルトならいいかな」
「僕が?姉様じゃなくて?」
「マルティーナ女王の威勢の良さもいいけど、俺はアルベルトの方が気に入ったんだ」
白い歯を見せ、ニッと僕を元気つけるように笑う。心が熱くなって、涙が出そうになった。
でも、泣かないように僕も笑顔で返す。
「チビ達の様子も見れたし、戻るか」
「もういいの?」
「ああ、アルベルトを連れ出したのバレたら、俺牢屋行きかもしんねえし」
グスタフの顔を思い出したのか、リヒトはぶるっと身震いをする。
そうだな、グスタフに見つかったら不味いよな。
僕らは街を後にし、城へと帰った。