僕の仕事は女王様!
「クラウス……仕事は終わったの?」
「ええ、予定より早く済みました。しかし、こんな事になっているなんて」
連れ込まれ、こっちを睨んでいるロルフがいた。
「クラウス……お前、知ってたのかよ!」
叫ぶようにロルフは、クラウスに言葉を浴びせる。バレてしまった、とうとうロルフに知れてしまった……リヒトが微かな声で鳴いている。
「知っていたも何も、俺が考えた事だ。この方はそれに協力しているだけ」
僕にロルフの怒りがいかないよう、クラウスはすべて自分のせいにしている。
「あんたは誰なんだ!?」
クラウスが口を開こうとしたが、僕はそれを止めた。
ゆっくりとロルフに近づき、リヒトを床に置く。そして自分の頭に手をあてた。
「ゴメンね、今まで黙ってて」
そのまま、カツラを外す。ロルフは目を丸くして僕を見ていた。
「僕は……アルベルト。マルティーナ姉様の双子の弟なんだ」
「…………弟?」
こくりと頷き、真っ直ぐにロルフを見つめた。