僕の仕事は女王様!
ナイフを握った瞬間から、僕の頭の中はぐるぐると何かに掻き回され、何も考えれなくなっていく。
「マルティーナさえいなければ、あなたはずっと女王。邪魔でしょう?マルティーナが」
耳元で囁くリリアの言葉が、僕の頭の中を支配していく。
どこか、深い暗い穴に堕ちていくような、奇妙な感覚が広がってる。
この感覚に身を任せたらまずい。そう、警告している自分がいるのに、身体がいうことを聞かない。
「これで……姉様を……」
「そう、それでいいの」
僕はナイフを握りしめ、部屋を出ていく。それを止めようとリヒトが、ドレスの裾を噛むが、僕は気にも止めていなかった。
僕の頭の中は、一つの目的に完全に支配されてしまった……